項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 脳・神経・脊髄 |
質問タイトル | No.737(私は脳外傷患者です)の追加質問です |
質問内容 |
脳損傷患者に対し、自家骨髄間葉系幹細胞の脳直接投与(北大(Rainbow))、他家骨髄間葉系幹細胞の脳直接投与(サンバイオ)、札幌医大等の自家骨髄間葉系幹細胞を点滴投与、生命科学インスティテュート(東北大学)の他家Muse細胞の点滴投与等が行われています(終了も有り)。 その中で問題となるのが、壊死した脳神経細胞(壊死した脳神経細胞はマクロファージに貪食される?)に幹細胞が届いて生着、分化できるかどうかです。治験対象患者を慢性期患者と急性期、亜急性期患者とで分けている理由もそこにあるようです。慢性期の脳損傷患部からはnotch等のシグナルが無くなる又は微弱化し、脳患部まで幹細胞をホーミングするための遊走因子の存在を特定するのに難儀してるように思います。 質問ですが、幹細胞(Muse細胞含む)を脳損傷患部へホーミングさせる遊走因子で特定されているものはどれくらいありますか? 又、その遊走因子の中で時期(急性期、亜急性期、慢性期、等)により異なるものはありますか? いま幹細胞(Muse細胞含む)を脳損傷患部へホーミングさせる遊走因子の特定する研究はどこの研究室で行われていますか? |
掲載日 | 2021年03月06日 |
回 答 |
間葉系幹細胞(MSC)をホーミング(必要な組織に集まること)させる物質についてのご相談です。 実際問題としてMSCをホーミングさせる物質が何であるかはあまりよく分かっていないと思います。しかし、各種の炎症性サイトカインや、がんの転移など多くの生理現象に関連するSDF-1などが、流血中のMSCを呼び寄せていると考える研究者が多いようです。 ただ、ホーミングして生着・分化することだけがMSCの作用機序ではなくて、MSC自身が分泌する各種の増殖因子やその他の物質による抗炎症作用や血管新生・神経突起伸長作用などが効果を表しているとの考えもあります。M S Cの投与が、中枢神経疾患に限らず、肝硬変や慢性肺疾患に効くと考える研究者も多くいます。MSCによる治療効果やその機序については、まだまだ研究すべきことが山積していると思います。 |
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