項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 脳・神経・脊髄 |
質問タイトル | muse細胞 |
質問内容 |
私はSCA3のものです。 現在museで治験は行われていないのは存じています。ただ扱う病院があれば保険を使わなければ使うことができるのでしょうか。もしくはまだ扱えないのでしょうか。ただ現在も幹細胞の治療が行われている現在ではmuseも同じだと思うのですが考えが違うのでしょうか?逆に使えるとしたらいつから使えるのでしょうか? |
掲載日 | 2021年09月14日 |
回 答 |
「SCA3」というのは脊髄小脳変性症3型のことかと思いますが、一般に、略語を使う場合は、初出の時には略さないで記載し、カッコ内にその略語を記すなどしていただきたいと思います(普通、論文を書く時などはそうします)。 Muse細胞は、現在、三菱ケミカルホールディングス子会社の生命科学インスティテュートの下で、脊髄損傷・急性心筋梗塞・筋萎縮性側索硬化症・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症に伴う急性呼吸窮迫症候群を対象とした治験を展開中です。ということは、逆に、それ以外の病気に対する治療は動物実験では研究されているが、臨床では(ヒトに対する治療は)行われていないことを示していると考えられます。また、Muse細胞という言葉を会社が使っていますから、おそらく、この言葉やMuse細胞の作り方といったノウハウはこの会社に属していて、他に似たような細胞を使っている人がいたとしてもこの言葉(Muse細胞)は使えない可能性が高いと思います。 次にMuse細胞そのものについて考えます。元々Muse細胞も間葉系幹細胞の一種なのですが、表面マーカーでこの中から選ぶことによって、病気で侵される細胞に分化する能力が高いと言われています。そういう意味では、いわゆる間葉系幹細胞の中にはMuse細胞のような細胞も含まれていることが期待されますから(これが高いか低いかは病面マーカーを調べてみないと分かりません)、脊髄小脳変性症に対する間葉系幹細胞を用いた治療(厚生労働省の表では自己脂肪組織由来の間葉系幹細胞を用いた治療をなぎ辻病院で行っています)は受けることができます。 一方、企業などが行う治験では、それに参加する患者さんは厳しく制限され、それ以外の患者さんを対象に選ぶことはないと思いますので、いわゆるMuse細胞が脊髄小脳変性症に使われることは、現状では、おそらく無いものと思われます。また、「使えるとしたらいつから使えるのでしょう」というご相談に対するお返事も、会社がその疾患を対象に選んで治験を始めるまで待たなければいけない、ということになる可能性が高いと思います。 |
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