項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 脳・神経・脊髄 |
質問タイトル | モヤモヤ病の発症から脳出血、右半身麻痺、現状は・・・ |
質問内容 |
妻現在54歳。30歳でモヤモヤ病発症。11年前の脳出血で右半身麻痺から1年で自立。(痰が多く出るようになる)昨年2月に3回目の脳出血や水頭症により、痰の回数が多く気管切開、胃ろう、LPシャント、歩行不可、発語不可の寝たきりが続いています。面会時、笑顔や泣き顔の表情あり。病状安定。今、神経細胞の再生医療できる病院へ転院して治療受けられないか知りたいです。元気な時は、カイロプラクティックで身体の可動域を広げていた。1年中花粉症。療養型病院のリハビリ13単位ではもの足りなくて感じています。何か良い知恵知りたいです。 |
掲載日 | 2022年04月29日 |
回 答 |
30歳でモヤモヤ病を発症され、11年前に脳出血があって右半身麻痺となり、54歳の今の状態は、気管切開・胃ろう・LP(腰椎-腹膜)シャント・歩行不可・発語不可の寝たきり状態のようです。「神経細胞の再生医療ができる病院への転院」をご希望です。「何か良い知恵知りたいです。」とのことです。 神経幹細胞を用いた研究は慶應大学を中心に脊髄損傷を対象にした動物実験が続けられていますが、これはまだ動物実験の段階ですからヒトには使えません。ヒトに対しては、脳梗塞や脳出血などを対象として、間葉系幹細胞を用いた臨床が自由診療(保険は使えずかかった金額は自己負担となります)で行われています。間葉系幹細胞を直接点滴で入れる場合と、培養上清のみを入れる場合があって、いずれも、効果のほどはやってみないと分かりません。自己の脂肪由来の間葉系幹細胞を使った治療は、肺の繊維症や、中枢神経ではALSやアルツハイマー病など従来は治療法がなかった疾患にも試みられています。ただ、病状が進んでしまうと(例えば認知症が進行して寝たきりになってしまったような状態)では、効果があまり期待できない場合も多いと聞いたことがあります。従って、「笑顔や泣き顔」のような表情が少し良くなる程度で全体にはあまり変わらないという程度であれば起こるかもしれません。お金が許せば考慮してみる価値はあるのかもしれません。ただ、あまり劇的な変化はおそらく望めないと思われます。 それと、自費診療の再生医療のための入院は難しい場合が多いと思いますので、転院を希望される場合は先々のことをよく考えてから決めたほうが良いように思います。医療関係者とよく相談の上で決められることを希望いたします。 |
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