再生医療相談室

No.135 再生医療トピックス

再生可能な幹細胞は高齢になっても”若い細胞”

再生医療というとアイ・ピー・エス細胞が思い浮かぶと思いますが、私たちの身体には再生可能な幹細胞が恐らく生涯残っているだろうことが分かってきました この幹細胞は高齢になっても”若い細胞”で、加齢に伴って失われてしまっただろう成長因子やサイトカインの殆どを持ち続けています 例えばアルツハイマー病ではβアミロイドが脳に溜まってきますが、若い頃はありません!元になる蛋白質(APP)は最初からありますのでどこかで処理しきれなくなって溜まってきたとも考えられます βアミロイドを分解する酵素にネプリライシンがあります アルツハイマー病の脳ではネプリライシンが減っていることも分かっています ところが、その患者さんの幹細胞にはネプリライシンが保たれていることが分かりました この患者さんにご自身の幹細胞を投与しますと、物忘れが改善し、アミロイドPETで脳のアミロイドが減少し、血液検査でもアミロイドが減少していました 

Shigematsu K, Komori N, Ideno M, Yamagishi H. Evaluation of neprilysin activity in Adipose-Derived stem cells from Alzheimer's disease patients. Neuroscience Letters. 2024:137705.

『諦めない 認知症・難病に挑戦する再生医療 再び健康な日々を過ごすために』(アークメディア)

(neuron / 20240602)