NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.231


専門分野: その他

Q: 歪な指を直したい

 事故で左手小指の第二関節上から先が切断されてしまいました。過去の投稿の中に、指の再生治療はまだ不可能という答えがあるのは拝見しましたが、いつの時点での投稿だったのかわからなかった為、もしかしたらてその後技術の進歩があるかも・・・と思い、現時点での指の再生の可能性を教えて下さい。もし、可能となっているならば、医療機関や費用概算等も合わせて教えて下さい。

掲載日: 2008.11.24

A:

 指は、骨・関節・靱帯・腱・血管・神経・皮膚など、多くの種類の組織によって巧妙に構成された器官です。残念ながら、現在のところ、そのような指趾を全く新たに再生させることはできていません。
指趾の再生に関連する研究としては、指の発生に関与する遺伝子群が同定されて、実験動物では指趾の発生を操作することが可能になっています。また、これも動物実験段階ですが、組織工学的な手法を用いて、指の骨の形をした複数の骨が関節に類似した構造でつながったものを、皮下組織で作成することにも成功しています。実現するまでにはまだ多くの問題が残されていていますが、このような研究が進めば人為的に指趾を再生することができるようになることが期待されます。
実際に行われている指の変形や欠損に対する治療は、整形外科や形成外科で特に「手の外科」を得意とする医師が担当しています。骨を延長することで短い指を伸ばしたり、顕微鏡下に血管を吻合するなどして自分の足のユビを切り取って手に移したりすることが可能です。日本では行われていませんが、極端な例として、事故で腕を切断された患者さんに、亡くなった方から提供していただいた腕を移植するというような四肢移植も外国で行われています。
一般的に、整形外科では指の機能性(つまむ、握るなどの働き)を追求し、形成外科では整容的な面を大切にする傾向がありますので、症状やご希望に合わせて受診する診療科を考慮されるのが良いかもしれません。いずれにしても、信頼できる手の外科医を見つけて、治療の必要性や可能性のある治療法の得失などについて十分相談していただくことをお勧めします。
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