NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.269


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: 脊髄の再生について

 3年前に間接リウマチと診断され薬を服用し、病状は落ち着いていたのですが、昨年、歩きにくくなり突然左足とわき腹にしびれを感じ、受診すると、脊髄と脳に炎症が起きているとのことで即入院し、ステロイドパレスを受け、炎症は治まったものの、排便障害、排尿障害、腰から下肢にかけてのしびれ、歩きにくさが後遺症として、残ってしまいました。炎症を起こした部分はもう元には戻らないとのこと。脊髄の悪い部分を再生してしびれや排便、排尿障害を改善することは可能でしょうか?毎日がとても辛いです。

掲載日: 2006.8.16

A:

 お返事を差し上げます。排便障害、排尿障害、腰から下肢にかけてのしびれや、歩きにくさに苦しんでおられるとのこと、そのつらさをお察しいたします。病状や、病状の原因、治療法、今後の経過や予測につきましては、主治医の先生に詳しくお話を聞いておられることと思います。
わが国でも2005年8月に関西医科大学医学倫理委員会で、脊髄損傷に対する再生医療の臨床試験が初めて承認され、臨床応用が開始されようとしています。
当面は急性期の脊髄損傷の患者さんを対象として治療が行われる予定です。実際には多くの慢性期の患者さんがおられるわけですが、急性期の脊髄損傷に対する再生医療の臨床応用を積み重ね、その成果が顕著になってくれば、いずれは、慢性期の患者さんにもこの治療が適用されていくことでしょう。私たちとしてはあせらずに、ゆっくりと見守っていくことが大切です。
脊髄損傷に対する再生医療は、多くの施設で積極的、かつ有望な研究が進められていますので、画期的な治療法の開発・実用化に大きな期待が寄せられています。
私たちとしましても、患者さんとともに、期待を持って、治療開発研究の発展を見守っています。
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