専門分野: その他
Q: 手指の再生医療について
私の母の外傷についてご相談致します。 先月22日に右手中指を雨戸に挟み、最寄の外科医院で第一関節上部を6針縫合しました。毎日通院しておりましたが、予後が思わしくなく、今日〈1月2日〉総合病院の緊急外来にて診察を受けました。結果、第二次レイノー症を引き起こし末端部が壊死を起こしているとのことでした。現在、点滴により血管拡張剤および抗生剤を投与されていますが、家族としては不安でなりません。再生医療による外傷の治療の可能性とレイノー症における日常生活の注意点等アドバイス頂ければ幸甚です。
掲載日: 2006.1.2
A:
レイノー症自体は機能的な疾患なので(この場合は、血管が必要以上に収縮して血流が悪くなる状態で、動脈硬化のように血管自体に病変がある訳ではないので)、薬物療法が中心になります。痛みや過度に冷やすこと(受傷後早期には腫れや痛みを軽減するために冷やすのが一般的ですが、これも程度の問題です)が増悪因子になる可能性がありますので、創部の安静や鎮痛剤などでできるだけ痛みを軽減するのが良いと思われます。 指の壊死組織自体は再生しませんが、それに隣接する周囲の健常な組織は、血流が改善すれば旺盛な再生力を発揮することが期待されます。具体的な治療法は創部の状況を診て判断する以外にありませんが、一般的には、明らかに壊死に陥った組織を除去した後、ラップ療法やウエットドレッシングを試みることで、周囲組織の再生力を最大限に活用することができると思われます。
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