NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.277


専門分野: 骨・軟骨

Q: 先天性下腿偽関節症

 妹の子供(4歳)のことでお尋ねします。先天性下腿偽関節症で、元々患部が細くて足の形がおかしく思い病院で調べたらひびが入った状態だったようです。5歳を過ぎたら病巣部分をとり、骨の再生できる部分同士をつなげるという手術をしようという話になっているようです。しかし、この手術はある程度年をとってから(中学くらい)でないとなかなか骨がつきにくいと医師から言われているそうです。2回手術をしている他の子供もうまく骨がついていないと聞いています。来年1月には手術をする予定なのですが、10月中に手術をするかどうか医師に返事をしないといけないそうで、2、3回手術してもなおらなかったいつまで続けるのかとか、詳しい話は聞かされておらず、妹もどうすればいいのか悩んでいます。他に方法があればと思い、調べていましたら再生医療にたどり着きました。甥の病気が再生医療が適応できるのか、まったく関係ないのかわかりませんが、骨の再生ができない部分をとり、その部分を再生医療で骨がつくようにできないかと思いました。素人考えの上、他に詳しい情報がなく判断が難しいと思いますが、甥の病気が再生医療で治療できる可能性があるのか教えてください。よろしくお願いします。

掲載日: 2006.9.16

A:

 現在行われている先天性下腿偽関節症の一般的な手術法には2つの方法があります。一つは血管柄付き腓骨移植で、病変部を除去した欠損部に腓骨を移植する手術です。ご質問にある「病巣部分をとり、骨の再生できる部分同士をつなげる」という手術はこれかも知れません。もう一つはイリザロフ(Ilizarov)法という治療法で、病巣部分を除去した骨の両端を特殊な器具を用いてからだの外から固定し(創外固定)、骨断端の間に骨を再生させて治療するもので、同時に短い骨を長くすることも可能です。ご質問にある「再生医療で治療できる可能性」に、現在行われている治療法の中で最も近いのがこの方法ではないかと思われます。
この病気の治療は、整形外科の中でも、特に小児整形外科を得意とする医師が担当します。手術の方法ごとに長所や短所がありますので、担当の医師と十分相談していただき、良く理解した上で、納得して治療を受けて頂くことが大切です。
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