NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.513


専門分野: 骨・軟骨

Q: 足首間接の軟骨再生治療についての質問です

 57歳の妻の右足首変形性関節症についての質問です。
40歳のときに良性脳腫瘍が見つかり、摘出手術を受けましたがわずかに取り残しがあり
右足首に後遺症が残り、足首の反りが悪く、装具をつけていてもついつい段差で捻って
捻挫を数知れないほど繰り返してきました。
あまりの痛みに最近はまともな歩行もままならず、数カ所の整形外科を受診して来ました。
昨年夏、担当医の助言で内視鏡による足首関節の大掃除をしていただきましたが、全く効果はありませんでした。
もちろん担当医からもそのように聞いておりましたので、想定内でした。その際に、軟骨の70〜80%が
既に失われているとのことでした。
これからの治療計画としては、まず人工関節置換えをやってみようと思っております。それで痛みの大半が改善
されればありがたいと思っておりますが、もしそれでも改善されなければ足首固定術しかないとも聞いております。
人工関節も永久ではないとのことで、15年まで持つかどうかも現年齢を考えると不安が残り、また、足首固定術
はできれば避けたいところです。
そんな中、このサイトを見つけ軟骨再生医療というものが既にここまで進んでいるということを知りました。
足首の症例は未だにあまりないのでしょうか?
藁をもすがる思いですし、最近は右足をかばうために腰の上の関節も曲がってきて腰痛も出始めております。
人工関節あるいは足首固定という手術を行う前に、軟骨再生移植の可能性が間もなくできるような兆しがあれば
今ならまだ少しは我慢して待てるのではないかと妻も話しております。
足首関節の軟骨再生はできるのでしょうか?まだだとしたらどの位待てばできるようになるのかなんとしても
知りたくて投稿させていただきました。
なにとぞよろしくお願いいたします。

掲載日: 2013.6.2

A:

  足関節の軟骨についてのご相談です。
 本年4月1日から、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社の自家培養軟骨「ジャック」が保険適応となりました。ただし、適応は「膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く。)」と限定されていますので、当面は、膝以外の関節へは適応されないようです。また、「変形性関節炎を除く」ということですから、将来的にも、慢性的に進行するような状態にはなかなか使えるようにならないかもしれません。
 また、この自家培養軟骨の開発に当たられた広島大学の越智先生から伺ったお話しによると、広範囲の軟骨損傷に対しては再生軟骨による治療は限界があり、一方で、足関節も含めて、人工関節置換術によって患者さんの高い満足度が得られるとのことです(回答番号1525162をご覧下さい)。
 信頼できる医師と十分ご相談の上、最良の治療法を選択して頂きたいと存じます。
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