NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.514


専門分野: 耳・鼻・咽頭

Q: 感音難聴になりました。

 初めまして。私は交通事故に遭い、いくつかの後遺症を残して…聴力も失いました…。受け入れられなくて、絶望的な毎日。生活が一変してしまいました…。だけど、やっぱり諦めきれなくて、いろいろと調べたら…再生医療の研究が進んでいて、泣きそうになりました。希望が持てました…。そして、今、臨床実験が開始されてるそうで…。結果が待ち遠しいです。教えて下さい。今の段階で人間に適用されるまで、あと、どれくらいなんでしょう…??そして、調べていくうちに、難聴で悩んでる方々の多さに驚きました。病気で難聴の方、私みたいな事故での難聴の方…。難聴の方々が笑顔になれる日が早く訪れて欲しいです。実用化される日が1日でも早く…。私の聴力は、いつ戻れるのかな…。正直、辛いです…。だけど、研究が進んでるのは事実。励みに頑張ります。切実によろしくお願いします。

掲載日: 2013.6.2

A:

  難聴で悩んでおられるご様子、心よりお見舞い申し上げます。
 ご相談にもありますように、難聴で困っておられる方は非常に多く、世界的には人口の1割以上とも言われています。治療法の開発もいろいろな分野で行われています。再生医療としては、感音性難聴で失われる内耳の有毛細胞をESやiPS細胞から分化誘導する研究や、慶應大学の岡野先生らのグループで行われたNotch情報伝達系を抑制することで内耳の支持細胞を有毛細胞に分化させる研究(詳細は同時掲載の「内耳の再生医療について」をご参照ください)があります。ただ、このような再生医療研究の多くは動物実験段階で、ヒトに応用できるまでにはなお多くの研究が必要と思われます。
 現段階ですでに臨床応用されている治療法として「人工内耳」があります。詳しくは下記URLの人工内耳友の会のホームページをご覧下さい(取り扱い医療施設の一覧表もあります)。
http://www.normanet.ne.jp/~acita/index.html
 交通事故で難聴になられたとのことですが、詳しい病状が分かりません。再生医療では内耳の有毛細胞の再生が目標になっていますが、この場合は有毛細胞以外の内耳が正常であることを前提としています。内耳全体が障害されている場合は、音を電気信号に変換して内耳の神経に直接伝える人工内耳の適応になる可能性があります。
 信頼できる医師と十分ご相談のうえ、最適な治療を受けて下さるよう希望致します。
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