NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.529


専門分野:骨・軟骨

Q: 腓骨神経麻痺

受傷当時19歳男性 脳出血で長時間(約2日間)倒れていた為、右足に腓骨神経麻痺が残りました。 2年の経過後も膝から下の外側が感覚麻痺の上、たれ足です。 少しは回復したようにも思えるのですが、何処の病院も治療法はないと言われます。 なにかしら効果のある治療法はありませんでしょうか 再生医療の対象にはなりませんか?

掲載日: 2014.6.14

A:

明らかに神経が断裂しているような場合は神経を繋ぐ様な手術(縫合、神経移植や人工神経)の適応があると思われますが、そうでない場合は神経に直接処置を施すのは難しいと思われます。一方、一度麻痺しても末梢神経の連続性が保たれている場合は、神経線維がその中を伸びていって、時間はかかりますが症状が少しずつ改善することも期待されます。ちなみに、神経繊維の伸びる速さは、最大でも1日に1mm程度と言われていますので30cm伸びるのに300日かかる計算になります。また、症状の改善が明らかになるには多数の神経線維が元のように連絡することが必要ですので、さらに時間が必要となります。症状が固定して改善が見込めないと判断される場合などでは、たれ足(下垂足)に対して動かせる筋肉を繋ぐ腱移行手術も考慮されます。  多少とも回復傾向がある場合は、「治療法はない」のではなくて、何もしないで様子を見ているのが一番良い場合もあると思います。信頼できる整形外科医と良く相談されて、納得のいく治療を受けて頂くことを希望致します。
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