NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.577


専門分野:その他

指切断による再生医療の今後

当方、娘2歳が事故により左手小指を第一関節から切断いたしました。
日本の手外科専門の先生を数件受診し、成長の止まった頃に、マイクロサージャリーによる足指からの移植が可能、足指もほぼ原形をとどめ、小指もそれなりに元に戻ると聞いて非常に安堵いたしました。
さて、色々と調べていくうちに、1,細胞外マトリックス、2,ips細胞、3,爪の幹細胞の研究、といった、現在では研究段階ですが、将来に向けて再生医療への期待があることを知りました。
手外科の先生も、この分野は技術が日々進歩してるから今から10数年後は今よりもっと簡単に・より美しく元に戻る技術が開発されている可能性は多いにある、とおっしゃっていました。
そこで是非とも知りたいのは、今より高度な最新再生技術が確立された場合、我々患者はどのようにしてその情報をキャッチできるか、ということです。 現在の医療では15年も待てば確実に治ることは分かったのですが、もしそれより早い時期に最新技術によって治すことが確率されたならば、一日でも早く娘の指を治してやりたいと思います。
定期的にお医者様に通えば、今はこのような最新技術によって治せますと教えていただけるのでしょうが、それを15年も繰り返すのは現実的ではありません。
○○病院にて○○最新技術による指再生が可能、などといった情報をキャッチできるようなサイト、又は定期的にチェックしておいたほうが良いサイト(新聞)などがありましたら是非とも教えていただきたく、メールをさせていただきました。
こちらのサイトにもそういった情報は掲載されるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。

掲載日: 2016.6.26

A:

我が国でどのような再生医療が行われているのかというのは、従来ははっきりとした情報源がありませんでした。こうした中、2013年11月に再生医療新法(正式名称は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」)が公布され、我が国で細胞を使ったいわゆる再生医療を行う際には、高度な医療施設だけでなく一般の開業医でも、医療の提供計画を厚生労働大臣へ提出することが定められました。さらに、「厚生労働大臣は、定期的に再生医療等の実施状況について把握し、その概要について公表する。」ともされていますので、この制度が順調に運用されて行けば、再生医療の実施状況が政府から公表されることが期待されます。ただし、今のところ公表はされていないようで、将来どのような形で公表されるのかも把握できていません。
 一方、日本再生医療学会では、大学病院などで行われている再生医療の臨床研究についてデータベースを構築し、2016年秋にも運用を開始する方向で作業が進められています。報道されている限りでは「iPS細胞等を使う臨床研究」のデータベースとされていますので、どの範囲までカバーできるのかは今のところ不確定ですが、できるだけ広範囲にデータを共有できるようになるのが望ましいと考えております。
 その他に、再生医療に限りませんが、先進医療(保険診療との併用が認められた保険の利かない治療法)を実施している医療機関の一覧(下のURL)も参考になるかもしれません。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html
 ご相談のような、再生医療について何でも紹介している便利なサイトは思い当たりませんので、今のところ、病名や症状などをキーワードにしてネットで検索して頂くのが宜しいかと存じます。
NPO会員様募集中
再生医療相談室トップに戻ります
再生医療推進センターは再生医学、再生医療の実用化を通して社会への貢献を目指す非営利活動法人です。
Copyright (C) NPO法人再生医療推進センター All rights reserved.