専門分野:耳・鼻・咽頭
内耳の再生
IPS細胞による再生医療の行程表になぜ内耳の再生医療時期は明記されていないのですか? なにか他に変な理由でもあるのですか?
理解できません?
掲載日: 2016.06.26
A:
iPS細胞による再生医療は、iPS細胞を特定の細胞に分化させて、それを移植することで治療効果を得ようとするものです。従って、特定の細胞の集まりである肝臓や膵臓のランゲルハンス島などは研究の目標になりやすいですが、各種の細胞が複雑に組み合わされた内耳のような構造物はiPSを用いた治療目標になりにくいと考えられます。到達できる目処がある程度立った目標でないと、行程表には載せにくいという事情があるのではないでしょうか。ただし、有毛細胞など特定の細胞に対する発生や細胞分化の研究はそれなりに行われております。
自らも難聴で、補聴器の販売をしておられる深井 順一さんのブログに「iPS細胞で難聴は治せるのか、難聴の原因から考える治療の問題」というのがありました(下のURL)。参考になると思います。
http://l-s-b.org/2014/06/ips-think/
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