NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.580


専門分野:その他

PRP血小板治療について

お世話になります。PRP血小板治療について教えて下さい。私の住んでいる県内では、行っている所は有りません。変形性膝関節症においてもヒアルロン酸注射より効果が有るように言われています。富山県から一番近い病院施設はどこでしょうか?

掲載日: 2016.06.26

A:

 PRPは多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)の略で、血小板に含まれる多様な増殖因子によって骨や軟部組織の再生を助ける目的で使用されます。自己の血液から比較的簡便に調整できるため、規模の小さい開業医などでもしばしば利用されていました。ただし、PRPの作成方法は各種あり、効果についても必ずしも一定しないと言われています。  近年、膝の関節症の治療に、従来から用いられているヒアルロン酸製剤との比較でPRP注入療法が検討され、良い治療効果が得られるとの報告が幾つか発表されています。ただ、日本ではこの治療法は未だ多くの施設で行われるようにはなっていないようです。
 再生医療新法(正式名称は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」)が施行されている現在の状況では、PRPの関節内投与を行うためには、特定細胞加工物製造届を提出した上で、再生医療の第2種(中程度のリスクがある再生医療)として提供計画を作成し、特定認定再生医療等委員会の審査を経て厚生労働大臣へ提出する手続が必要です。これは、適応となる症例数の少ない開業医などにとっては結構な負担になると思われます。
 また、PRPを使った治療は保険適応になっていません。PRPを使って保険診療との併用が可能な先進医療とされているのは聖マリアンナ医科大学の難治性皮膚潰瘍に対するものだけのようですから、他の治療法は全て自費での自由診療となります。
 ということで、現在、PRPの関節内投与を行っている医療機関は当方では把握できませんでした。なお、この治療法を学術的立場で検討する多血小板血漿(PRP)療法研究会(http://prp.kenkyuukai.jp/about/)が活動しています。
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