項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 脳・神経・脊髄 |
質問タイトル | 包茎手術後の亀頭の感覚低下 |
質問内容 |
私は2年ほど前にとある美容外科クリニックで屈曲修正術という、勃起時に陰茎が下に湾曲する症状を治す手術を行いました。 それと同時に包茎手術も行なわれたのですが、亀頭の真下の内板をほぼ全て取り除き、裏筋と呼ばれる部位もほとんど切り取って縫い合わされた状態となり、手術後から亀頭の感覚がほとんどなくなりました。 その日からは毎日眠れない夜が続き、色々な病院を探して電話をかけたり、弁護士に相談をしたりしましたが、手術費で資金がほとんど残っていなかったので1件ほど少し怪しい所でしたが某クリニックの医師に直接相談しただけで、ちゃんとした病院に相談はすることなく現在まで来てしまいました。 現在ようやく心の整理ができてとある大学病院の泌尿器科にかかっているのですが、その先生によると、神経を切ってしまっているから亀頭の感覚を元に戻すことはできない(私の質問についてそうだと答えてくれただけで、医師本人の口から説明してくれませんでしたが)と説明してくれました。 ですが、あまり誠実な対応をしてくれている印象はなく、説明も詳しくしていただけませんし、どうにもその医師が話していることが本当のこととは思えないのです。 こちらで再生医療について調べてみると、粘膜の上皮や皮膚の表面を被う表皮の再生は現在すでに臨床応用されているようですし、神経についてもマイクロサージャリーを使って切れた神経の縫合、欠損部と他の部位から組織を切り離して欠損部に移植する再建手術が可能だと知りました。 本当に感覚を取り戻すことが不可能なのか知りたいので、どうか真実をお教え願えないでしょうか。 お手数をおかけして大変恐縮ですが、お返事お待ちしております。 |
掲載日 | 2020年06月19日 |
回 答 |
神経が切断されたことにより感覚を失った部位に感覚を取り戻すことができないか、というご相談かと思います。 一般論から申しますと、抹消神経は断端同士や断端と断端をしかるべき機材(東洋紡で製造しているナーブリッジなど)で繋いであげることで、切断された神経線維が再び連続性を取り戻して刺激を伝達する様になる可能性があります。ただ、現在行われている神経の接合では、指の神経などの様にある程度の太さがあって、神経として同定できる場合に限られます。亀頭に分布している神経がどの様な形態なのかにもよりますが、おそらく、神経として同定できるような構造にはなっていないので(抹消で同定できる神経は通常伸び縮みせず弾力性に乏しいのですが、陰茎の長さは大きく変化します)、従来の方法では難しい様に思われます。 今の所、どの様な方法があるか分かりませんが、手術で切断された抹消の細い神経が手術の瘢痕組織を通って繋がる様な治療法が見つかれば(例えば、腹部の手術の場合、正中線から離れた縦切開をすると、その創と正中線の間に感覚のない部位が生じます)、回復の可能性が出てくると思います。 ということで、現在の治療技術では難しいと思われますが、再生医療の進歩にご期待いただければ、と思います。 |
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