再生医療相談室

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No.778 多系統萎縮症について

項 目

内 容

専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル多系統萎縮症について
質問内容

先日母が、多系統萎縮症と診断されました。

思うように歩けず、よくバランスを崩して転びかけてます。呂律も回らなくなって、字も書きにくいと話していて、日に日に進行しているのを実感しています。

ある番組でmuse細胞の存在を知り感銘を受けたのですが、多系統萎縮症への応用、治験などはあるのでしょうか?また、未だ承認申請中の新薬などについても何か情報、わかる範囲で教えて頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。

掲載日2023年03月07日
回 答

Muse細胞は、今年(2023年)の2月14日に「三菱ケミカルグループは、Muse細胞を用いた再生医療等製品CL2020の開発を中止することとしましたので、お知らせいたします。」と発表があり、三菱ケミカルグループによる開発が中止しております。一方、これを発見した東北大学大学院出澤真理教授は、「我々はミューズ細胞を再生治療として、修復治療として患者に少しでも希望を持っていただける、届けたいという気持ちの一心でここにいる。誰しもが開発している。そういう意思が合うところにライセンスを渡してほしい。あるいは私に返してほしい」と2月14日の会見で語ったと伝えられています。

ですから、この細胞が今後どうなるかは現状では分かりません。一方、このmuse細胞は間葉系幹細胞から選択的に選ばれるのですが、選ぶ前の自己の脂肪由来間葉系幹細胞を使った治療は京都府のなぎ辻病院などで行われています(この中にmuse細胞がどれだけ入っているかはデーターが無いので分かりません)。と言うことで、muse細胞については微妙なところなので触れないことにします(多系統萎縮症に対しては、おそらくデーターが無いので、効果が有るとも無いとも言えないと思います)。