エ〜!大リーグ大谷翔平選手が幹細胞を注射?
米国の大リーグで活躍中の大谷翔平選手が右肘の内側側副靱帯(じんたい)を損傷し、故障者リスト入りしたと各報道機関が報じました。私も毎朝BS1で大谷選手の活躍を見るのを楽しみにしていましたので残念至極です。球団によれば、現地7日にロサンゼルスで多血小板血漿(PRP (Platelet Rich Plasma))治療と幹細胞注射を受けたということです。内側側副靱帯損傷でPRP治療と言うのはヤンキースの田中投手も受けていたので野球好きは聞き慣れた治療法ですが、欧米では変形性関節症の治療に以前から確立された治療法で、再生医療の一環として日本でも医療機関が再生医療等提供計画を厚労省へ届け出ています。一方、大谷投手が受けた幹細胞注射は何なんでしょう?体性幹細胞による再生医療を受けた事になりますね。我が国で実用レベルに到達しつつある体性幹細胞による再生医療の多くでは造血幹細胞や脂肪幹細胞が用いられています。シーズン中の大谷選手が骨髄や皮下脂肪から体性幹細胞を採取したとも考えられませんね。
実は、造血幹細胞は末梢血中にほんの少し存在します。更に、造血因子や抗がん剤を投与すると末梢血中に短期間、造血幹細胞が多数出現し、血液分離装置を使用して末梢血幹細胞を分離することも出来ます。大谷選手も何らかの方法で自家末梢血幹細胞を増やして採取し、患部に注射したのかもしれませんね。何れにしても,これは再生医療の一つと言えますね。尚、末梢血幹細胞の投与(移植)では、白血球の型(Human Leukocyte Antigen: HLA)が合えば同種移植も可能となります。
(NPO法人再生医療推進センター 21研究室 篠原)
|