専門分野: その他
Q: 日米の相違
再生医療に関してはアメリカが進んでいると誰かから伺いました。本当でしょうか?だとしたらどれ程どの分野で進んでいるのでしょうか、日本は追い着けないのでしょうか?
掲載日: 2008.11.24
A:
再生医療については必ずしもアメリカが進んでいるというわけではありません。再生医療の新しい治療開発については世界がしのぎを削っているところであり、日本においても世界に発信できるような画期的な治療が開発される可能性が大いにあります。再生医療の臨床応用に関しましては、確かにアメリカの方が進んでいる分野はあります。これには行政上の問題があり、アメリカのFDA(日本の厚生労働省に相当する)の官僚の方が、日本の厚生労働省の官僚に比較してより多くの専門家がそろっており、しかもpositive思考なので、新しい治療開発研究の実用化に対する理解が日本に比べてより深く、早く実用化されやすいという利点があります。しかしながら、日本の再生医療開発研究は決してアメリカに劣っていませんし、分野によってはより進んでいます。臨床応用に関しましても、末梢性血管疾患に対する自己骨髄細胞を用いた再生医療は、日本で初めて臨床応用がなされ、その治療効果が認められた結果、現在は、高度先進医療として保険適応が承認されるに至っています。その他、骨髄細胞を用いた歯周組織(下顎骨)や膝、足関節に対する再生医療や、角膜に対する口腔粘膜を用いた再生医療も、日本においてのみ臨床応用が展開されているのです。再生医療の分野では、今後の研究の進展によっては、種々の疾患に対して日本から世界へ発信できるような治療が開発され、日本が世界をリードしていけるようになることも夢ではありません。私たちも大いに期待しています。
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