専門分野: その他
Q: 指の再建
弟が3月31日16時50分頃に勤務先工場の鉄鋼を鉄線に形成する機械に第2指、第3指、第4指をもっていかれ第2指は第一関節辺り、第3指は第二関節近く、第4指は第一関節辺りから引きちぎれてしまいました。 直ぐに会社の指定病院であるS-C病院に救急車で搬送され患部の洗浄など簡単な手当をされ、大学病院等に受容れ要請をしたが断られ最終的に地元では有名らしいF-S病院に入院しました。 副院長のO医師が応対。母は1本でも良いから繋げて欲しいと懇願したのですが、3本ともぐしゃぐしゃで繋ぐ事は出来ないとあっさり手術を断られたそうです。 (母曰く老人で手術しようという意欲が全く感じられなかったとの事) 翌日の手術と言う事になったのですがオペはO医師がメインで行うためらしく朝から夕方まで殆ど休み無く5〜6人も手術していました。 夕方になりオペの内容を聞くと 一番短くなってしまった第3指についてももしかすると爪が生える、他の指については間違いなく爪が生え、日常生活を支障なく行えると説明していました。 しかし翌日弟と母が説明を聞くと第2指、第4指に多少爪が生える。第3指については第二関節ぎりぎりと前日とは違う説明を行ったそうです。 本題ですが 過去同じ様な質問が出ていた時とは5〜6年経過しました。 新しく指を再建するような技術は確立されていないのでしょうか? また落ちてしまった部分に肘の内側から肉を取り指に縫合したそうなのですが爪は生えてくるのでしょうか? リハビリ後に義指を付けれた職場復帰は可能でしょうか? 1年通して剣道・冬はスキーをしていたのですが事故前と同じ様に行う事は出来るでしょうか?
掲載日: 2011.4.22
A:
(個人情報保護の観点から、ご相談に書かれていた病院や医師の名前をイニシャルに変えて掲載致します) 弟さんの指の怪我でご心配のご様子、お見舞い申し上げます。 指の再生につきましては、ご指摘の通り、以前から何度も相談を頂いております(文番号272、274や329等)が、今でも爪や関節のある指を新たに作ることは出来ていません。 「肘の内側から肉を取り指に縫合したそうなのですが爪は生えてくるのでしょうか?」とのご相談ですが、爪は爪の根元の皮膚の下にある爪母という組織からしか再生しませんので、肘の組織を移植したことと爪の再生は関係がないと思います。切断された部位から考えますと、第2指と第4指はこの爪母が残っている可能性があるので「多少爪が生える」、第3指はこの部分がありませんので爪は生えない、という説明になったと思われます。手術当日の説明については良く分かりませんが、切断部位から考えると第3指に爪は生えないと思われます。 リハビリ後の職場復帰やスポーツについてのお尋ねですが、手の機能から考えますと、「握る」、「つまむ」という基本的な働きはかなり温存されると思われますので、ある程度の問題はあるとしても、怪我の前と同じような作業ができるようになることが期待されます。義指は機能的というよりも整容性(見た目)を改善するのが主な目的と考えて頂くのが良いと思います。 色々なご心配があると思いますが、担当の医師と十分にお話をしていただき、よく理解して頂くことが大切です。
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