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再生医療新法のハーモナイゼーションについて緊急希望です
再生医療のハーモナイゼーションとは他国の臨床試験データを日本国内で共有使用出来るという制度なのでしょうか?もし、これが本当なら、サンバイオのSB623が日本国内で条件期限付認可を受けた際に、アメリカでの臨床試験データを提出すれば慢性期脳梗塞も適用になるのでしょうか?
掲載日: 2018.01.25
A:
「再生医療のハーモナイゼーション」というのは、再生医療の規制について国際的に調和した基準を作ろう、ということのようです。例えば、iPS細胞から作った各種の細胞/組織の造腫瘍性(腫瘍を発生する可能性)の評価のために国際的に協調した基準を作製しよう、という目標です。このような多くの基準が国際協調されたものになれば、各国で個別に基準への適合性を確認する必要はなくなりますから、アメリカで認められたものは日本でも比較的簡単に使えるようになると期待されます。しかし、今の段階ではこのような基準は何も作られていませんので、実現には時間がかかると思います。
日本の「条件付き承認」が得られれば諸外国で承認されるかという問題はもう少し複雑な問題を含んでいます。「条件付き承認」は安全性が確認されて、有効性が推定される場合に対象となります。しかし、諸外国では、有効性が不確実で承認するのはおかしいとの議論があります。実は、我が国の「条件付き承認」では、承認後に安全性と有効性を改めて検証し、期限内に使用成績をまとめて再申請することになっていますので、実際には「有効性の推定」というのは「不確実でもOK」ということではなく、効く可能性があるのでより早く、より多くの患者さんで検証できるようにする制度、と考えるべきかと思います。
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