NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.613


専門分野:その他

再生医療の年齢制限について

現在保険適用になって認可されている再生医療に軟骨再生医療がありますが、50歳という年齢制限が設けらるているらしく、その理由は何なんでしょう?上記の事柄から、近い将来、かなり、一般的な治療法になると思われる、自己骨髄幹細胞を利用した、再生医療にも、年齢制限は設けられる可能性はあるのでしょうか?


掲載日: 2018.03.24

A:

  保険適応の軟骨再生医療としてはジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社の「自己培養軟骨ジャック」があります。ご相談の「50歳の年齢制限」というのは確認できませんでしたが、年齢に関連する注意事項として、使用上の注意の「5高齢者への適応」として、「臨床試験において65歳以上の高齢者(1例)の適用実績はあるが、高齢者では患者の状態を観察しながら慎重に適用すること。」というのがありました。そもそもこの製品の適応が「膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く。)」であることを考えると、スポーツ選手のような人の軟骨障害の治療を目的としたもので、高齢者の変形性膝関節症には保険適応が無いことになります。従って、特に年齢制限があるわけでなくても、適応疾患は若い人に多いことが想像されます。  一方、自己骨髄幹細胞を利用した再生医療ですが、保険適応の申請をする際にどのような対象疾患に適応を取るかにもよりますが、例えば現在保険適応となってテムセルHS注(この場合、自己ではなく他家の幹細胞です)の適応疾患が造血幹細胞移植後の急性GVHD(移植片対宿主病)であることを考えると、同種(他人)の造血幹細胞移植を受ける適応であるかぎり特に年齢制限は無いものと思われます。ただし、造血幹細胞移植を前提とした治療は副作用が強い場合があり、高齢者に行われることは希です。  ということで、疾患によって自ずから年齢制限的なものが設定される場合はあるかも知れませんが、暦の年齢だけで適応から除外されることはなかろうと思われます。


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