専門分野: その他
Q: ピクシーダストについて。
ピクシーダストという再生医療の粉について 先生方はどう思われますか?
初めまして。 私はクレーター、陥没毛穴に悩む22歳女です。 レーザーもピーリングも薬も試しましたが無理でした。
色々検索していたら、 ピクシーダストという、 指も生えてくる再生医療で注目されている 魔法の粉とまでいわれているものを見つけました。 http://www.acell.com/
色々素人なりに検索して調べるうちに、 これだったら、 理論的にはクレーター等も治せるのではないかと思いました。
私は自殺未遂をするくらい悩んで、 今も悩んでいますが、 これの存在を知り、まだ諦めてはいけないと思いました。
しかし、ピクシーダストが世間に知られてから(テレビでもやってたくらいです。) 随分たったのに、 誰もこれについて研究していないような気がします。 気がするだけで、どなたか研究しているのでしょうか?
私としては、是非皮膚科や美容皮膚科方面で この粉が活躍してくれれば、 クレーターで悩む人は随分と助かるまたは希望が持てるのではないか、 と思っています。
先生方は、 このピクシーダストについて どう思われますか?
お忙しいとは思いますが、 どうぞご回答宜しくお願い致します。
掲載日: 2012.5.26
A:
「ピクシーダスト」というのは以前に「指が生える魔法の粉」というような形で紹介されたブタの細胞外マトリックスを生成したもののようです。これにつきましては、2008年から何度か回答していますので、相談番号345、359、415、416をご覧ください。 なお、毛穴の陥没し効果があるかですが、陥没の原因が過去に起こった炎症であるとすれば、現在ではその炎症はすでに治まって瘢痕組織(傷跡)のようになっているものと考えられます。ご相談の「魔法の粉」は怪我が治る過程で炎症が起こっている最中に、周囲の組織の再生を助ける作用があるものと考えられますので、炎症が治まって瘢痕にになった状態で使用したとしても、残念ながら効果は期待できないと思われます。 また、「誰もこれについて研究していないような気がします。」ということですが、「ピクシーダスト」そのものは開発者などが研究してるだけかも知れませんが、その元になっている細胞がマトリックスの主成分であるコラーゲンは再生医療の最も重要な材料として多くの人が研究しており、これを用いた再生医療(例えば、人工神経とか人工気管など)も少なからず実用化されています。 「ピクシーダストについてどう思われますか?」ということですが、非常に興味深い治療材料だと思います。しかし、ブタという動物に由来する物質で色々な物質が混じっていると思われますので、ブタの病気がうつる心配が無いことなど、安全性について相当確実な証拠が無いと広く受け入れられるのは難しいのではないかと思います。
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