ネット上に報道された再生医療関連情報を拾い出し,原文から抜き出したものをコンパクトに記載。黒文字をクリックすると元情報へ。そして,一口コメントも!
2024.04.26 (new)遺伝子改変されたブタの腎臓移植、今度は心臓ポンプを装着した患者で成功!
再生医療において臓器丸ごとの再生は今のところ困難であるが,移植医療の分野では臓器不足を異種移植で乗り越えようとする試みがなされている。「ヒトとブタの間の進化的な距離1億年(ハーバード大学医学部教授のンディープ・メフラ)」を乗り越えてニューヨーク大学ランゴン医療センターで遺伝子改変されたブタの腎臓(+胸腺)移植が実施され、54歳の女性は2人目の生存者となった(2024年4月12日)。ニューヨーク大学の研究チームはゲノム編集において「less is more(少ないほうがいい)」というアプローチをとり、ゲノム編集の箇所を増やす代わりにブタの胸腺を同時に移植することで免疫不適合を抑えている。ブタから腎臓を採取する2カ月前に胸腺を首から取り出し、腎臓の下に配置した。その後、胸腺は腎臓と一体化し、腎臓と一緒に移植できるようにした。臓器不足に直面する移植医療は、新たな手法で拒絶反応を防ぎ、また歩を進めた様である。(WIRDE EMILY MULLIN SCIENCE2024.04.25)
2024.04.19再生医療でアルツハイマー病のアミロイドを分解できる!
アルツハイマー病では脳内にアミロイドが沈着します。この間葉系幹細胞はこのアミロイドを分解する力を持っています。Yamagishiらは、アルツハイマー病患者自身の脂肪組織由来幹細胞を培養しそこにアミロイドを分解する酵素=ネプリライシン活性があることを発見しました1。アルツハイマー病の脳ではネプリライシン活性が低下していることが報告されています。これを、患者さん自身の細胞で“再生”できれば理想的な治療に繋がると期待されます。レケンピ(レカネマブ)はアミロイドを除去する抗体薬ですが、脳浮腫や脳出血のリスクがあります。ご自身の幹細胞投与での脳浮腫、脳出血の報告はありません。(Neurosci Lett. 2024 Mar 10:825:137705. doi: 10.1016/ j.neulet.2024.137705. Epub 2024 Feb 28.)(PubMed > Shigematsu K, Komori N, Ideno M, Yamagishi H. Evaluation of neprilysin activity in adipose-derived stem cells from alzheimer's disease patients. Neuroscience Letters. 2024:137705)
2021.06.24(お知らせ)
2001年5月の日本再生医療学会の発足と共に、学会からは独立した組織であるNPO法人再生医療推進センターを設立し、その活動は20年間に及びました。その間、再生医療は医学的にも発展し、一般の方々にも理解が広がり、実用化の段階に達しています。NPO法人再生医療推進センターは再生医療の黎明期から現在まで一定の役割を果たしたとして発展的に解散することとなりました。事業の一環として行ってまいりました再生医療相談室と再生医療情報の提供は有志により本ホームページにて再生医療相談室として継続して参りますのでよろしくお願い申し上げます。
以下の対象疾患の分類表は厚生労働省「第二種再生医療等・治療に関する提供計画」を対象疾患別に提供医療施設を明示・分類した表にリンクします。分類名や対象疾患名をクリックすると大きな表の指定部分にジャンプします。再生医療等を受けようとする場合の参考にしてください。各施設の治療に関する詳細は表の右端の資料をクリックしてpdfファイルをダウンロードして下さい。同意説明文書をよく読み、医師からの十分な説明を受け、理解・納得した上で検討してください。
(*:対象疾患名は各施設から届け出られた疾患名を記載しております)更新日:2020年12月08日
標記報告会が報道機関等を対象に開催されましたので,以下に概要を掲載しました。
(概要)
(報道資料)NHK NEWS WEB 京都 NEWS WEB「幹細胞投与で認知症改善か」,2020.12.18
(報道資料)ABCニュース「「アルツハイマー型認知症」の治療で症状良くなった 「再生医療に使われる幹細胞が有効」と発表」,2020.12.18
認定再生医療等委員会 の承認、厚生労働省に届け出・受理を受けて行ったALS等に対する再生治療研究(自己間葉系幹細胞投与)で成果が得られたため、治療を行うことを計画し、認定再生医療等委員会 の承認を受けて厚生労働省に届けておりましたが、厚生労働省のホームページより転載(一部改変)した下表のとおり受理されました(治療を受けるにあたっては幾つかの条件と費用が必要です)。
再生医療等提供機関の名称 | 住所 | 管理者の氏名 | 再生医療等の名称 | 認定医療等委員会の名称 | 説明文書及び同意文書の様式** |
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医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | アルツハイマー型認知症に対するヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | パーキンソン病におけるヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | 難治性神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉、脊髄小脳変性症〈SCD〉、レビー小体病〈DLB〉、進行性核上性麻痺〈PSP〉)に対するヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | 難治性呼吸器間質性疾患(肺気腫<COPDを含む>、特発性肺線維症<IPF>、間質性肺炎)に対するヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
(**:正式名称 ⇨ 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式)
参考情報:元気が出る再生医療 No.015「脂肪幹細胞によるアルツハイマー病の治療」
*: ALS; amyotrophic lateral sclerosis
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